無事に東京に着かれたことと思います。
ご両親はお元気でしたか。
久しぶりの六段中はいかがでしたか。
教室も鹿鳴会本部もどこか静かで、違和感があるほどです。
皆君のことは口にしませんが、それぞれ思うことがあるのでしょう。
徹は君がいなくなって寂しそうにしていましたが
それでも元気に学校へ行っています。
藍おばさんも君が東京に帰ったと聞いてとても残念そうにしていました。
帰り、女子サッカー部の練習場のそばを通りました。
秋の全国大会を控えてみんな遅くまで練習しているようです。
銀子は君がいなくなって元気がない皆を励ましているようでした。
今日はじめて正式な進路志望の調査書が配られました。
修学院にそのまま進学する生徒がほとんどとはいえ、
外部進学者もまったくいないわけではありませんから。
僕もその一人です。
提出は来週の月曜日までとのことでしたが、僕は帰りに職員室によって出してきました。
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東京はまだ残暑の厳しい折でしょうね。
人一倍丈夫な君のことですが、体には気をつけてください。
そして二枚目。
―――瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
割れても末に あわんとぞ思ふ―――
またお便りします。
山本春海
何度も読みなおした。