馨子さま作






里見学習院人事件







【プロローグ】



青白い月明かりを集めたシーツにその肢体を絡ませるように、彼女はベッドに横たわっていた。

肩のあたりではねる茶色の髪、惜し気もなくさらされた背に晩秋の空気が触れた。

彼女は身をブルッと震わせ、目を覚ました。



少し開いたドアからもれる光。

電話でもしているのだろうか、ドアの向こうで話し声が聞こえる。



刹那、彼女はその場で立ち尽くした。

彼女の顔が青白く見えたのは月明かりのせいばかりではなかった・・・






春海のたくらみ
春海のさしいれ

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