さちえさま作 金の肉まん 銀の肉まん ある日の事、春海は友人の水無瀬ちゃんの家に、 差し入れとして肉まんを届けに行く事にしました。 鹿々川のほとりに差し掛かった、その時! 『ボチャンッ!』 石につまづきよろけた春海は、肉まんを鹿々川に落としてしまいました。 「あぁー!なんて事だ!この肉まんを水無瀬ちゃんは楽しみにしてたのに…」 すると驚いた事に、水面がブクブクと泡立つと、 「ザッパーンッ!ゴホッゴホッ!…水も滴るいい女・さちえちゃん登場!」 春海は心臓が飛びでるほど驚きました。 でもそこは冷静沈着、ポーカーフェイスな春海の事、 「…とっとと、家帰って鏡でも見るんだな。」 と、冷たくいい放つと再び肉まんを買いに戻ろうとしました。 「キィィーッ、なんですってぇ! …っと、いけない!…コホン、我は鹿々川の貧乏神…いや違う!守神、さちえです。 山本春海、あなたの落としたのは金の肉まん?銀の肉まん?普通の肉 まん? それとも…肉まんを持った如月いるか?」 「肉まんをもった如月いるか!!」 さちえは驚きました。 「即答だな、オイッ!…おかしいな…春海は正直者だと聞いてたのに…」 ブツブツ言うさちえに、春海は、 「何、グズグズ言ってんだよ! 早く肉まん持った如月いるかをよこさないと、竹刀をおもいっきり脳天に直撃させるぞ!」 これにはさちえも慌てました。 「ヒィーッ!やっ、山本代議士に言いつけてやるんだからーっ!うわーん!」 泣きながらさちえは、ブクブクと沈んでゆきました。 気迫で『肉まんを持った如月いるか』を手に入れた春海は、 無事肉まんを水無瀬ちゃんに届け、如月いるかと末永く、幸せに暮らしましとさ。 おしまい |