カレーのルーさま作






眠れぬ夜





1週間近くの無断欠席。
俺はその穴を埋めるべく教科書とノートを開いていた。
でも、コレは自分を静めるためのタテマエ。


本当はちょっと興奮して眠れないんだ。


いるかを探して東京から倉鹿、そして新潟へ。
でも、見つけたときには俺に無断で『誰かのもの』にされかかっていた。
アイツは、自分から災難に飛び込んでいくタイプ。
困っている人を助けずにはいられない。
だから俺は気が気でないんだ。
俺があの場に出てこなかったらどうしてたんだろう、アイツ。
ああ、つくづく間に合ってよかったって思う。
白無垢姿の美しさとかそんなことは二の次。
とにかく、大事な彼女を取り戻すことが先決で。
たとえ、相手がヤクザだろうと何だろうと関係なかった。



それに、その後の『家出の原因』にも驚いたな。
縁談。
それも俺と同じ内容の。
相手は外務大臣が取り持った代議士の息子。
親父、あの駅伝の中で見つけたって言ってたよな。
もしかして、あの状況見てたのか?(いるかちゃん告白シーン)
否、それならわざわざコンナコトしなくても良いわけだし・・・
でも、もし見ていたのなら、まったく意地が悪い。
いるかを家出させたのは親父だ。
里見学習院編入騒ぎの時といい、ったく何考えてるんだか。



・・・・・・・見合い・・・か。



俺とアイツの・・・・・・。


親父たちの顔を立ててやるけど、そんなことしたくない。
これじゃあまるで家のために結婚するみたいで納得いかない。
俺は、ごく自然に付き合っていって、もっと違った形でにプロポーズしたかったのに。
こうなってしまっては意識するなって方がおかしい。
無理強いしてる気にまでなるじゃないか。


これは仕置きが必要だな! 親父に!!
とにかく当たり障りのないように、それでていてあの人をギャフンと言わせてやろう。
試案を練って、いるかと話して。



・・・・・・いるか・・・・・・。


やっぱり今日はちょっと眠れそうにない。


end


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