後に読むか先に読むか。
モトネタのあらすじ
背景 :舞台はフランスとスペイン。1559年のカトー・カンブレシス条約により、スペイン王子カルロスとフランス王アンリ2世の娘エリザベート・ド・ヴァロアとの結婚で両国に和平がもたらされることになった。
第1幕 :フォンテンブローの森、冬
ドン・カルロスは狩りの途中、花嫁になるエリザベートをかいま見て、やがて訪れる幸福を思う(「私はあの人を見た」)。そこへエリザベートと小姓のティボー。カルロスはスペイン使節団の1人だと名乗り、ティボーが従者を呼びにいく間、エリザベートと2人きりになる。エリザベートが婚約した王子の肖像を見せると、カルロスは身分を明かして愛を伝える。エリザベートも愛に打ちふるえる(「何という心の高鳴り」)。
そこへティボーが戻り、エリザベートの父が娘を嫁がせる約束をしたのはカルロスではなく、妻を失ったばかりの父フィリップ2世だと伝える(「運命の時は過ぎた」)。レルム伯爵が正式に婚約の変更を伝える。エリザベートは和平のためにやむを得ず国王との結婚を承諾する。
第2幕 :第1場 サン・ジュスト修道院、カール5世の墓
カルロスが慰めを求めて祖父カール5世の墓がある修道院を訪れる。修道士たちが世の力のむなしさを歌う(「カール5世、かの堂々たる皇帝も」)。エリザベートを想い続けるカルロスに、1人の修道士が近づき、真の和平は神のみによってもたらされるであろうと告げる。カルロスは祖父の声を耳にして、その姿を見たように思う。
そろへポーザ侯爵ロドリーグが現れ、スペイン軍の制圧に苦しむフランドルのために立ち上がるようカルロスに進言(「私はフランドルにいた」)。悩むカルロスはためらいつつも王妃への愛を打ち明ける。驚くロドリーグは、カルロスにフランドル行きを勧め、友情を約束する。2人は永遠の愛と忠誠を誓う(「神よ、我らの心の中に」)。ところが王とともに墓参に来たエリザベートの姿を見て、カルロスは再び絶望に陥る(「あの人は父のもの、私は彼女を失った!」)。
第2幕 :第2場 修道院の門の外
女官たちが修道院の外でエリザベートが出て来るのを待っている(「葉の生い茂る木の下で」)。そこへエボリ公女と側近たちが現れ、ヴェールの歌を披露(「妖精たちの館で」)。エリザベートが悲しげな様子で現れる。
ロドリーグがエリザベートの母親の手紙を持って登場。中にカルロスからのメモ。王妃にカルロスに謁見するよう願い出る。(「カルロス王子、我らの希望」)。エボリはカルロスの秘めた愛に疑いを抱く。王妃はカルロスと2人だけで会うことを承知する。
カルロス登場(「お願いに参りました」)。フランドル行きの許可を願い出るが、王妃の冷たい言葉に卒倒、しかしいたたまれずに思いの丈をぶつける。我に返ったエリザベートがカルロスを突き放す(「それではあなたの父上を討ちなさい!」)。失意のうちに走り去るカルロス。
フィリップ国王登場。王妃が1人でいるのを見とがめて王妃付きの女官を追放する。エリザベートはその女官に指輪を渡してフランスへ持ち帰るよう慰める(「私の大切な友よ」)。退出しようとするロドリーグを国王が呼び止める。ロドリーグは新教運動が広がるフランドルに対するスペイン軍の血の弾圧を訴える(「陛下、私はフランドルから帰ってきました」)。国王はその率直な言葉に感心するが聞き入れず、大審問官に用心せよと言う。息子と王妃の仲を疑う国王は、ロドリーグに2人を監視して真実を突き止めよと命ずる。
第3幕 :第1場 マドリードの王妃の庭、夜
国王の戴冠式の前夜。疲れたエリザベートは、自分のマントをエボリに渡してお祈りに引き下がる。エボリはそのマントを使ってカルロスと逢い引きする。カルロスが現れ、王妃のマントを見てエボリに愛を打ち明ける。(「真夜中に王妃の庭で」)。人違いに気づくカルロス。エボリはカルロスが政治的な危機にあると注意(「ああ、若いあなたは知らずに」)、カルロスが王妃を愛していることに激怒する。
ロドリーグが駆けつけ、短刀を抜いてエボリを殺そうとする。止めるカルロス。取り乱したエボリが立ち去る。ロドリーグはエボリに知れるとまずい書類を自分に預けて欲しいと言う。疑うカルロス。しかし友情の誓いを思い出す。
第3幕 :第2場 マドリードの大聖堂前の広場
国王の戴冠式に伴い、異教徒の火刑が行われる。国王の登場を待つ民衆(「この幸せな日」)、レルム伯爵が大聖堂から国王を召し出す。国王が登場、戴冠の誓い(「我が頭上に王冠をいただき」)。そこへカルロスに率いられたフランドルの代表団が慈悲を願いに割り込む。これを国王が退けると、剣を抜くカルロス。ロドリーグがカルロスの剣を奪う。友情は裏切られたと失望するカルロス。火刑台に火がともり、式典は続く。失意の代表団。このとき、カルロスは天の声を耳にする。
第4幕 :第1場 マドリードの国王の書斎、早朝
物思いに沈むフィリップが王妃に愛されていないことを嘆く(「余は愛されておらぬ」)。大審問官を呼び、平和のためには息子を殺すべきかどうか尋ねる。大審問官は異教徒のロドリーグこそ刑に処するべきだと進言する(「この美しい国では」)。
そこへエリザベートが宝石箱が盗まれたとかけ込んでくる(「お裁きを!陛下!」)国王が手にする宝石箱からカルロスの肖像。エリザベートは自らの潔白を訴える(「神があなたを私の夫にしたからには」)。国王が王妃の不義を責めると、エリザベートは失神する。そこへエボリとロドリーグ。エボリは自分の犯した罪を後悔して(「おぞましい疑いに呪いを」)、王妃に宝石箱を盗んだことを告白する(「お願いです!罪深い女にお許しを!」)。エリザベートはこれを許すが、エボリが国王の愛人だったと知り、追放を命じる。エボリは失墜の原因となった自分の美貌を呪う(「ああ、運命の贈り物」)。
第4幕 :第2場 カルロスの牢獄
カルロスを訪れるロドリーグ。釈放の手はずは整えたと、別れの挨拶(「わが最後の日」)。フランドル人たちを扇動した証拠書類がロドリーグの家から発見されて、カルロスの反逆罪は自分の身に降りかかり、もはや生きてはおれまいと言う。銃声がして倒れるロドリーグ。死の間際に、明日サン・ジュストでエリザベートが待っている、私は君のために喜んで死のうと伝える(「ああ、私は死ぬ」)。
カルロスは、奪った剣を返そうとする国王にロドリーグとの友情を訴える。悲しげに悔やむ国王(誰がこの死を取り戻せよう?」)。外で民衆が蜂起、カルロスの釈放を求める声。ドアが開くと民衆がなだれ込み、その隙にエボリがカルロスを救い出す。
第5幕 :サン・ジュスト修道院
カルロスを待つエリザベートが、カール5世の墓前で世の栄光のむなしさと天上の平安を神に祈り(「あなたは世のむなしさをご存知で」)、カルロスとの短かった幸せを振り返る。カルロスが現れ、救世主としてフランドルへ旅立つと告げる。もはや恋人としてではなく母と息子としての別れ(「よりよい世界で再会しましょう」)。そこへ国王と大審問官が現れ、二人の逮捕を命じる。突然、不思議な修道士が現れてカルロスを墓に引き込む。人々はそれが先帝カール5世だと驚きながら見守るのだった。
それでは春海の悪夢、はじまりはじまり〜
「ばかやろう!どんなにさがしたと思ってんだよ。さあこいよ帰ろう。」
「春海!あたし今帰ったら山本代議士の息子って人と結婚させられる!」
「いるか!それはおれだよ!」
「そうなの?!はじめからわかってりゃ家出なんかしなかったのに。」
「いるか・・・愛してるよ・・・。結婚しよう。」
「<<喜びに胸があふれる思いよ!>>」
「あ、進じゃないか。久しぶりだな。」
「ああ。いるかは元気かい?
・・・実はおれまだいるかのこと好きなんだ。」
「<<神は我らの心に 同じ炎をともされた>>」
「春海!おれたち親友だよな!」
「つーか親友だっていうならいい加減あきらめろ!」
「ロドリーグ・・・じゃなかった太宰くん、大きくなったね!」
「は、ご無沙汰していますおじさん。」
「<君は 大胆にわしの王座を眺めているが>」
「うちの家庭は複雑でね・・。私は不幸な父親だよ。」
「なにをいきなり・・。でも自業自得じゃ・・い、いえなんでもありません!」
「ん?・・なんだこれ。上着のポケットにこんなもんいれたっけ?」
「<真夜中に 王妃の庭で・・>」
「ここでいいのかな・・ん?何かまたメモが・・なになに・・
とーぶん帰らないけどしんぱいしないでね??なんだこりゃ・・」
「あなたはいるかちゃんを愛していらっしゃる!」
「まのか?そんな格好でどうしたんだ?それに・・・前から知ってただろ。」
「<不幸におなり!不倫な息子!>」
「なにが不倫だー!」
「まったくおかしなヤツらばっかりだ・・。あ!いるかを知りませんか?」
「もちろん知っているさ。いるかさんにはわしと結婚を前提としたお付き
合いを申し込んだのだよ。しかし・・」
「<あれはわしを愛していない>」
「当たり前だ!」
「春海、ばかおまえの出番じゃないだろ!」
「出番?あ、これ芝居だったのか。・・邪魔したな。」
「で、では・・。・・お父さん。先を急ぎますので失礼します。」
「きみにお父さんなどと呼ばれる筋合いはない!」
「あんたは実の父親でしょうが!他に何て呼べばいいんです!」
「うーむ。さてぼくの名はなんでしょう!」
「クイズかい!」
「正解したらこの剣をやろう!」
「それはもともとぼくの物です!」
「山本です。こんにちは。・・・いるかさんはいらっしゃいますか?」
「ええっ書きおきっ」
「ほんとに家出したんですか いるかは!」
「わーっ わたしがあんな話をしたばっかりに」
「春海ーっ」
「いるか!?白無垢なんか着てどうしたんだ!」
「春海ごめん。待ちきれなくて・・この人と結婚したの。」
「な なんだってー!?」
「<息子よお前の剣を返そう>」
「遅えよ!」
「春海!父親に向ってなんという口のきき方だ!」
「おい!セリフだよッ。
<お前に息子などもう無い!>」
「あっ、そうだっ。
<お前に息子などもう無い!>」
「まだぼくがいるよ!」
「え・・。」
「徹、大きくなったな!」
「当たり前だよ!もう中学生なんだから。」
「ははは。そうだったな。」
「あの・・・おれは?」
「・・み。春海。起きて・・。あたしの声聞こえる?起きてにょ、起きて・・。」
「ん・・。いるか?」
題名 :歌劇 ドン・カルロス【フランス語・5幕版】
作曲 :ジュゼッペ・ヴェルディ
台本 :メリ&デュ=ロークル
原作 :シラー
指揮 :アントニオ・パッパーノ
演奏 :パリ管弦楽団、シャトレ座合唱団
収録 :1996年3月 パリ・シャトレ座
字幕 :フランス語/英語/スペイン語/日本語
レビュー :16世紀のスペイン宮廷を舞台にした、5幕構成の一大歌劇。愛、友情、政治、宗教が物語の軸となる同歌劇は、現在までに様々な改訂が加えられ、今回のフランス語初演版は100年ぶりの上演となる。ヴェルディ没後100年記念作品。
出演
ドン・カルロス :ロベルト・アラーニャ(T)
ロドリーグ :トーマス・ハンプソン(Br)
エリザベート・ド・ヴァロア :カリタ・マッティラ(S)
フィリップ2世 :ホセ・ファン・ダム(B)
エボリ公女 :ヴァルトラウト・マイアー(Ms)
【曲目】
1.オープニング
第1幕
2.「鹿は走る枝の下を・・・」(合唱)
3.「フォンテンブロー!広くて寂しい森!」(ドン・カルロス)
4.「あの人のほほ笑みの中に」(ドン・カルロス)
5.「深い闇から角笛の音が・・・」(ドン・カルロス、ティボー、エリザベート)
6.「何をなさるのですか?」(エリザベート、ドン・カルロス)
7.「喜びに胸があふれる思いよ!」(エリザベート、ドン・カルロス)
8.「あなたに幸せなお知らせをお持ちした私に----」(ティボー、エリザベート、ドン・カルロス)
9.「祭りの歌、喜びの歌、楽しいしらべをかなでよ!」(合唱、エリザベート、ドン・カルロス、ティボー、レルム)
第2幕
第1場
10.「尊厳な王カール5世は」(合唱、僧)
11.「このサン・ジュスト修道院で」(ドン・カルロス、僧)
12.「おや、あそこに王子が!」(ロドリーグ、ドン・カルロス)
13.「神は我らの心に 同じ炎をともされた」(ドン・カルロス、ロドリーグ、合唱、僧)
第2場
14.「静けさに包まれた緑深い木々の下」(合唱、ティボー、エボリ)
15.「グラナダ王の おとぎの宮殿でのお話」(エボリ、ティボー、合唱)
16.「王妃さまよ!」(合唱、エボリ、エリザベート、ティボー、ロドリーグ)
17.「われらの希望の星 カルロス王子は」(ロドリーグ、エボリ、エリザベート)
18.「私は王妃様に お願いに参りました」(ドン・カルロス、エリザベート)
19.「おお失われた財産 高価な宝よ」(ドン・カルロス、エリザベート)
20.「国王陛下です!」(ティボー、フィリップ、合唱)
21.「ああ 私の大切な友よ どうか泣かないで・・・」(エリザベート、合唱、ロドリーグ、フィリップ)
22.「待て!」(フィリップ、ロドリーグ)
23.「陛下!私はフランドルから帰って来ました」(ロドリーグ、フィリップ)
24.「君は 大胆にわしの王座を眺めているが」(フィリップ、ロドリーグ)
第3幕
第1場
25.「星空の下 花の香りに満ちた庭」(合唱、エリザベート、エボリ)
26.「真夜中に 王妃の庭・・・」(ドン・カルロス、エボリ)
27.「何と言った?彼はおかしい!」(ロドリーグ、エボリ、ドン・カルロス)
28.「でも 彼女の前で震えていたのは 私の方よ」(エボリ、ロドリーグ、ドン・カルロス)
第2場
29.「喜びあふれる 今日のよき日」(合唱、僧、レルム)
30.「人民よ わしは頭上に この王冠を戴いたとき」(フィリップ、合唱、エリザベート、ロドリーグ、ドン・カルロス、フランドルの使節、僧)
31.「陛下 今こそ私の生きる時です」(ドン・カルロス、フィリップ、エリザベート、ロドリーグ、ティボー、僧、合唱)
第4幕
第1場
32.「あれはわしを愛していない」(フィリップ)
33.「大審問官です」(レルム、大審問官、フィリップ)
34.「異端者の育つ芽の全くない この美しい庭で」(大審問官、フィリップ)
35.「陛下 どうかお裁きを!」(エリザベート、フィリップ、エボリ、ロドリーグ)
36.「卑劣な疑いよ 呪われよ!」(フィリップ、ロドリーグ、エボリ、エリザベート)
37.「罪ある女を どうかお許しください」(エボリ、エリザベート)
38.「ああ 不吉な忌まわしい贈りもの」(エボリ)
第2場
39.「私です カルロス!」(ロドリーグ、ドン・カルロス)
40.「そう カルロス そうです! 今日は私の最後の日!」(ロドリーグ、ドン・カルロス)
41.「カルロス 聞いてください」(ロドリーグ)
42.「息子よ お前の剣を返そう」(フィリップ、ドン・カルロス、合唱)
43.「おや 早鐘だ!」(合唱、レルム、フィリップ、エボリ、エリザベート、大審問官)
第5場
44.「この世の栄華の空しさを お知りになり」(エリザベート)
45.「あの人だ!」(ドン・カルロス、エリザベート)
46.「再び次の世で会いましょう」(エリザベート、ドン・カルロス、フィリップ、大審問官、カール5世、合唱)