お題 7.仲




funny valentine 1




My funny valentine
Sweet comic valentine
You make me smile with my heart

You looks are laughable, unphotographable
Yet you're my favorite work of art

Is your figure less than greek
Is your mouth a little bit weak
When you open it to speak, are you smart?

Don't change a hair for me
Not if you care for me
Stay little valentine stay

Each day is valentine's day

―――My funny Valentine







「あ、いるか、ちょっと。」
「何?」

生徒会室での会議の後、いるかは春海に呼び止められた。

「俺、先行くぜ」
春海と同じクラスの巧巳はいるかの脇を抜けて
残り少なくなった昼休みを惜しむかのようにさっさと生徒会室を後にする。

「いるか、おまえ今週の土曜、あいてるか?」
「土曜?うん・・・放課後ならあいてるよ。」

―――土曜日?今週の土曜日って言えば・・・

「そうか、よかったらおれんちに来ないか?ちょっと渡したいものがあるんだ。」
「え・・・う、うん。いいよ。わかった。いつもみたく放課後ここで待ってればいいね。」
「いや、おれはちょっとよってくところがあってさ。悪いけど先いっててくれないか。・・・ほら、これうちの鍵だから。」
「う・・・うん。わかった。でもさ、藍おばさんとか、いないの?」
「あー…お前にまだ言ってなかったっけ。
藍おばさん、今度東京に住んでる娘さんと同居することになってさ。
平日の昼間に通ってきてもらうだけになったんだ。」
「へぇ・・・そうなんだ。」
「なくすなよ、その鍵。」
「うん・・わかってる。そういえば・・・あたし、鍵って持つの初めてだなぁ。なんか緊張するな。」
「え?」
「春海には言ったことなかったっけ?
持ったことないんだよ、家の鍵って。っていうか必要ないんだよね。」
「そーいや、おまえんちはいつも誰かはいるもんな。」
「うん。両親はいないことのほうが多いけどね。一応一人にしないように配慮してくれてたみたいだよ。
倉鹿でもおばちゃんかお手伝いさんか、誰かがいたしね。
だからあたし、鍵って持たせてもらったことないんだ。」
「なるほどなー・・・とにかく。土曜。家で待っててくれよ。」
「うん。わかった。」


―――春海、一体なに考えてるの?
土曜日って言ったら、バレンタインデーじゃない―――

いるかはすっきりしないものを抱えつつ教室に向かった。




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