後に読むか、先に読むか。
モトネタ解説
オセロー Othello
イギリスの劇作家シェークスピアの戯曲「オセロー」(1604)の主人公。うその情報をふきこまれて嫉妬心をかきたてられ、愛する妻を殺した男。嫉妬心が人間をいかにくるわせ、また、他人の巧みな言葉がいかに人間を悲劇にみちびくかを、オセローの行動はしめしている。人を深く愛する心が、同時に、人をにくむ心にすばやく転化しうるものであることもオセローの物語はかたっている。
嫉妬にかられて妻を殺す
高貴な生まれのムーア人であるオセローは、ベニス公国につかえる軍人で、多くの功績をあげてきた。高官の娘デズデモーナと愛しあっていた彼は、彼女の父親の反対をおしきって結婚し、総督として前線のキプロス島に妻をともなっておもむいた。オセローの旗手イアーゴーは、オセローが自分の妻と密通したとうたがい、また、副官にしてもらえなかったことをうらみ、その復讐をたくらむ。イアーゴーは、デズデモーナが副官のキャシオーと不倫の関係にあるように工作し、それとなくほのめかしてオセローの嫉妬をあおった。はじめは相手にしなかったオセローも、イアーゴーが捏造した証拠品のハンカチをみせられ、愛する妻をしめ殺す。その直後、イアーゴーの妻から真相を聞いたオセローは、悔恨のあまり自刃してはてる。
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それでは春海の悪夢、はじまりはじまり〜
「<喜べ!すべての敵は全滅だ!>
・・でもなんか疲れたな。このまま寝ちまおう・・。」
「やだやだ死んじゃやだ!あたし春海のこと世界で一番好き!」
「・・・・・バカ!」
「わーよかった死んでなかった!」
「勝手に殺すなよなっ」
「・・・。いいな。おれだってがんばったのに・・。」
「進お兄ちゃんどうしたの?」
「ああ、徹くんか。なんでもないよ。
・・あいつ助けなきゃよかったな。そうしたらいるかは・・。」
「え?」
「いやいや。なんでもないよ。」
「みんなー!!早く車乗ってー!みんなで江ノ島に行くよ!」
「江ノ島?なんで?」
「みんなで優勝祝いをするからに決まってるじゃない!早く早く!」
「ロデリーゴ・・じゃなかった進。おまえどうしたんだ?
・・なんだか元気ないな。台本読んだか?」
「台本?ああこれか。
・・なあ春海、おれちょっと気になるんだけど・・。」
「なんだ?」
「ロデリーゴって死ぬ役じゃなかったっけ?」
「進・・バカだなあれはロドリーグだよ!全然別の役じゃないか!」
「そっか。やっぱりおれ達親友だよな!」
「当たり前じゃないか!あ、いるか!じゃあまたな進!」
「ちくしょうっ!おまえさえいなければいるかは・・。」
「進お兄ちゃんどうしたの?やっぱり元気ないね。ぼく心配だよ。」
「ああ、徹くんか。・・・。誰にも言わないかい?」
「うん!」
「おれ・・いるかのことが好きなんだ。」
「ぼくもだよ!」
「え、いやそういう好きじゃなくて・・。
・・誰にもわたしたくないんだ。ってまだ徹クンにはわからないよな。」
「わかるよ!僕も正美ちゃんのこと誰にもわたしたくないもん!」
「そうかい?それじゃあ・・。」
「ぼく協力するよ!」
「ありがとう徹クン!じゃあ手始めに・・ごにょごにょ。」
「里美学習院の駅伝大会優勝を祝って乾杯!」
「<さあ乾杯だ!>」
「ういーなんかヘンな味のジュースだな。」
「え、たこハイってジュースじゃなかったの?」
「こら!徹!なんてことするんだ!」
「ぼくこどもだからわかんな〜い!」
「さすが春海の弟だな。」
「まあまあ。いいじゃねえか。アイツもなかなか気が利くぜ。」
「巧巳おまえふらふらしてるじゃないか。」
「大丈夫だよこれくらい・・。お、スイカ割りか?」
「超高校級バッター東条巧巳くん4番の出番だな。いくぜ!」
「あー!!それはスイカじゃなくて・・。」
「<邪魔をすると殺すぞ!>」
「ぎゃー!!」
「高中だよ・・って聞いてねえな。」
「<武器を捨てろ!>」
「春海!」
「この騒ぎはなんだ!・・高中!おまえまた女子の着替えを除こうと・・。
しかしだからといって金属バットで脳天かち割るほどの罪ではあるまい。
巧巳!おまえは無期停学だ!」
「なにー!なんの権利があってそんなことを!」
「里美学習院高等部生徒会長山本春海としての権利だ!さあコイツをひっとらえろ!」
「ちくしょう覚えてろ!」
「くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「予定通り、だな。」
「邪魔者は消えた。さて・・正美ちゃーん!」
「徹クン!呼んだ?」
「うん。いっしょにスイカ食べようよ!」
「うん!正美スイカ大好き!」
「ぼくもだよ!あはは!」
「きょうはいろいろあったな・・。疲れただろ?このまま眠っていいぜ。」
「大丈夫・・。春海と一緒に居られるなんて・・幸せすぎて眠れないよ。」
「いるか・・。」
「<<すでに夜も更け騒ぎもたえ・・>>」
「いるかお姉ちゃん!お兄ちゃんが大変なの!お願いすぐ来て!」
「ええ!大丈夫かな。春海ゴメン、ちょっと行ってくる!」
「いるか?おい、あんな酔っ払いほっとけよ!
っていうかアイツいつの間に抜け出したんだ?」
「巧巳!こんなところでどうしたの?大丈夫?」
「ちょっとくらくらする・・。」
「いくらお祝いだからって飲みすぎだよ!ほらこのお水飲んで・・。」
「ありがとう。」
「このくらいなんてことないよ。・・っうわ!つめた・・。」
「ごめん、かばい切れなくて・・おれも酔ってるのかな。」
「平気だよ。・・・。ってなにすんのよー!!」
「いるか!好きだ!」
「ぎゃー!!」
「・・遅いから心配したぜ。」
「春海・・あの・・。」
「なんでもないならいいんだ。それにアンカーに抜けられても困らない。
・・もう大会は終わったからな。」
「あ、あたし先に帰る!」
「巧巳・・勝負だ!」
「おにいちゃーん!」
「あ、正美そんなに走るな!じゃ、春海またな!」
「ってまだ話終わってねーよ!どさくさにまぎれて3回もキスしやがって!!」
「正美〜。あはは待てよ!」
「おにいちゃ〜ん!正美を捕まえてみて!」
「正美ちゃん・・ぼくは?」
「正美ちゃ〜ん!巧巳〜!どこにいるの?」
「いるか?しー!」
「(巧巳?正美ちゃん寝てんの?)」
「(ああ。おれ、春海に見つからないうちに部屋に帰るよ。
これ以上騒ぐとマジまずいからな。)」
「(そうだね。ね、このままじゃ風邪引いちゃう。
このタオルで包めばちょっとはあったかいよ。あ、起きちゃったの?)」
「うーん、いるかおねえちゃん・・
お願い、おにいちゃんのお嫁さんになって!」
「ば、ばかそんなでかい声で!」
「だれかそこにいるのか?!」
「やべ!春海だ!じゃあないるか!」
「あ!あの夕ご飯は?!あーあ。行っちゃった・・。」
「・・・。こんなところで何してるんだ。」
「はるうみ・・っ。」
「風邪ひくぜ。」
「大丈夫。・・あたしここでしばらく星を見ていたいの。ほっといて。」
「ほっておけないさ。こんな暗いところで女の子が危ないだろ。
それとも・・アイツに会いに来たのか?」
「っ!・・春海は巧巳に厳しすぎるよ。あれくらいで無期停学なんて・・。」
「未成年が飲酒のうえ金属バット殺人未遂が”あれくらい”か?
高中はいま死の淵をさまよっているんだぞ!!」
「でもっ!あいつ丈夫だし!・・ゴメン。」
「おまえっ。おまえこそ・・。」
「どうしたの春海。そんなに汗かいて・・。暑い?」
「触るな!」
「はるうみ・・。ひどいよ。」
「・・・。」
「あたしのこと、嫌いになった?もう、信用できない?」
「ぼくはきみを信じているから・・。」
「よかった。春海・・好きだよ。」
「いるか・・おれもだよ。」
「ね、巧巳のこと許してあげて?」
「もしかしてきみはもう・・巧巳のものに?」
「え?波が・・ゴメンよく聞こえなかった。」
「・・・。考えておくよ。」
「よかった!あたしそろそろ寝るね!おやすみ!」
「・・・。<さらば神聖な思い出よ!>
ぼくは、きみを信じている・・だが、証拠がほしい!」
「おにいちゃん・・。」
「徹か。どうした?」
「おにいちゃん、なにか悩みがあるんじゃない?」
「っふ・・。
<山びこの 相響むまで 妻恋に 鹿鳴く山辺に 独りのみして>
ってところかな・・。おまえにはまだわからないだろうけど・・。」
「にいちゃん季語が違うよ!っていうかここ海だし!」
「じゃかあしい!ガキは早く寝ろ!」
「おにいちゃん・・ぼく聞いたんだ。」
「話変えるなよ・・なにを聞いたんだ?」
「きょうのお昼に巧巳おにいちゃんが寝言で・・ゴメンぼくもう寝るね!」
「徹!あずきアイスがあるぞ。おまえ好きだろ。」
「え、いいの?いつも寝る前にもの食べるなって。」
「きょうはお祝いだから特別さ!・・で?」
「巧巳おにいちゃんが・・”いるか、愛してる”って言ってて・・。」
「ああ。」
「それで・・”この海岸で待ってる”って言って・・。」
「それで?」
「”おまえもおれのことを好きなら・・”」
「好きなら?」
「・・・。”愛の証に、あの海色のタオルを持ってきてくれ”って言ってた。」
「それはおれがやったタオルじゃないか!・・あいつらやっぱり・・!!」
「おにいちゃん!」
「<あの大空に誓い、あだを討つ!>」
「<<さあ復讐だ!>>」
「うん!」
「春海〜!みんなで花火しない?」
「花火?しかし・・。」
「げっ高中!あんた退院したの?やっぱり丈夫だね!」
「けっこう頭痛が・・・。」
「平気だよ!あ、巧巳!進!みんなもほら!」
「いるか!浮かれるのもいいかげんにしろ!部屋に帰れ!」
「え・・。春海?どうしてそんな・・泣いてるの?」
「帰れっ・・。」
「はるっ うみ・・。」
「<恥と悲しみに満ちて>」
「あれ?いるかは?」
「・・・。さあな。」
「なんだよ感じわりぃな。こんなヤツほっとこうぜ。」
「ねえ巧巳おにいちゃん教えて?」
「なんだ?」
「(女の子の好きなものって・・なにかな?)」
「あっはっは。徹、おまえませてんな!それはな・・。」
「(なに?)」
「おれみたいな男に決まってんだろ!どんな女もイチコロさ!」
「へ、へぇ・・。」
「さ、風呂にでも入るか。」
「(あ、あれは・・。おれのタオル・・。やっぱりあいつ・・殺してやる!)」
「そういえば露天風呂は混浴なんだよな!おれも行く!」
「高中おまえは入らないほうが・・怪我に障るぜ。」
「風呂に入れば一発さ!」
「春海おまえはどうするんだ?みんな行っちまうぜ。」
「・・おれも行く。」
「・・・いるか?入らないのか?」
「ん・・もうシャワー浴びたからいいや。」
「あのさ・・。」
「なに?」
「タオルかえしてくれないか?」
「なによ!あんな汗くさいタオル捨てちゃったよ!」
「なにおうー!!」
「なにすんのよ!あ・・。」
「いるか!」
「あっ・・・。湯加減どうだ?」
「しらないよっ・・。」
「春海・・・。おまえいくらなんでもひどいんじゃないか?」
「うるさい!おれは部屋に帰る!」
「なんか・・水着よりかえって興奮するなぁ・・。はあはあ・・。」
「た、高中!おまえは死ね!」
「ぎゃーっ!頭はやめて・・。」
「<さびしい野原にひとり泣いていたの>・・。」
「いるかちゃんだいじょうぶ?」
「もーあいつ最悪だね。あしたからシカトしようぜ。」
「しかし・・山本春海のやつ、なんか様子おかしくなかったか?」
「あいつ昔からそうだよ!」
「み、湊まで・・。」
「さ、酒でも飲んでぱーっとやろう!!」
「賛成!」
「で、あんたたち結局どうなのよ?」
「え。ど、どうって。あんなヤツしらないよ!」
「またまた〜。あの嫉妬深さはただもんじゃないよ。」
「夫婦喧嘩は犬も食わないって言うよ〜。」
「春海なんか!巧巳のほうがずっといいよ!」
「そうなの?へえー。あいつもまあカッコいいっちゃカッコいいけど・・。」
「山本春海と東条巧巳なんて五十歩百歩だろ。どっちでもいいじゃん。」
「とにかく春海はだめ!あたしもう寝るから!おやすみ!」
「いるかちゃん!あーあ怒っちゃった・・。」
「<祈りはすませたか?>」
「げっ春海・・ここ女子の部屋なんだけど・・。どっから入ってきたの?」
「ベランダ。」
「見つからないうちに帰んなよ。あんた一応生徒会長なんだし・・。」
「いるか!巧巳に渡すくらいならいっそ・・。」
「ぎゃーっ!」
「一緒に死んでくれ!」
「おまえだけ死ね!」
「春海来てくれ!巧巳と進が喧嘩で大怪我して・・。」
「ほっとけよ。チャンスだぜ。」
「何いってんだよおまえ!」
「あーおれもう死んだ。動けない。」
「む、むかつく・・。おまえ明日から口きいてやらないぞ!な、みんな!」
「<おれを恐れる者はない>」
「シカトされてるしな。しかしそんなところで寝るなよ。
おい・・。春海・・春海?!」
「・・・。」
「やだやだ死んじゃやだ!あたし春海のこと世界で一番好き!」
「いるか!おれもだよ!」
「オテロ生き返るな!」
「春海・・愛してる。ってなんで3回もキスするの?」
「おまえを愛してるからだよ!」
「おまえらひとの話聞けよ!」
「・・み。春海。起きて・・。あたしの声聞こえる?起きてにょ、起きて・・。」
「ん・・。いるか?」
題名 :歌劇 オテロ 全曲(伝説のイタリア・オペラ・ライヴ・シリーズ)
作曲 :ジュゼッペ・ヴェルディ
台本 :
原作 :シェイクスピア
指揮 :アルベルト・エレーデ
演奏 :NHK交響楽団、東京放送合唱団、NHKイタリアオペラ合唱団、藤原歌劇団合唱部、東京少年合唱隊、森 正(合唱指揮)
収録 :1959年2月4日 東京宝塚劇場
字幕 :日本語(消去不可)
レビュー :オペラファンの間で今なお話題に上がる伝説の名演奏を堪能できるDVDシリーズ。今回は、1959年2月4日に東京宝塚劇場で行われた「オテロ」を収録。没後20年を迎える“黄金のテノール”マリオ・デル・モナコが迫真の演技と圧倒的歌唱力を披露する。
出演
オテロ :マリオ・デル・モナコ(T)
デズデモナ :ガブリエルラ・トゥッチ(S)
カッシオ :マリアーノ・カールソー(T)
イヤーゴ :ティト・ゴッビ(Br)
ロドヴィーゴ :ブリニオ・クラバッシ(B)
ロデリーゴ :ガブリエレ・デ・ユリス(T)
モンターノ :岡村喬生(B)
エミーリア :アンナ・ディ・スタジオ(Ms)
伝令 :ジョルジョ・オネスティ(B)
【曲目】
第1幕
1.サイプロス島場外の船着場
2.喜べ!すべての船は全滅だ!(オテロ)
3.ヤーゴの乾杯の歌
4.武器を捨てろ!(オテロ)
5.愛の二重奏「夜も更けて」(オテロ、デズデモナ)
第2幕
6.城内の一室
7.詠唱「ヤーゴの信条」
8.何てことだ!何だと?(ヤーゴ、オテロ)
9.後で!あなたの声はなぜ暗いの?(オテロ、デズデモナ)
10.ヤーゴの詠唱「カッシオの夢」
11.オテロとヤーゴの二重唱「あの大空に誓う」
第3幕
12.城内の広間
13.オテロとデズデモナの二重唱「神よ背の君を慰めさせ給え」
14.オテロの独白「神よ!貴方は私にすべての苦悩を与えられた」
15.「元老院および総督よりご挨拶を」(ロドヴィーゴ)
16.「倒れ!泣けよ!」(オテロ)
第4幕
17.デズデモナの寝室
18.デズデモナの詠唱「柳の歌」
19.デズデモナの詠唱「アヴェ・マリア」
20.「誰?オテロ?」(デズデモナ)
21.詠唱「オテロの死」
―「うみとそらとみんなと」に寄せて―
記念すべき「蜃気楼放送局」の初めてのキリ番を踏ませていただきました。
放送局、の名のとおり「VOICE版」「小説版」の二通りの楽しみ方をさせてくださるあらゆきさんの二次創作。
厚かましくもリクエストさせていただいたのは
ヴェルディの歌劇「オテロ」のいるヨロ版!
「山本家の人々」で同じくヴェルディの歌劇「ドン・カルロ」の見事なパロディに笑わせていただいた私は直感で、これはいける、と確信しました。
そしてあっという間に書き上げてくださったお話は・・・
春海は原作のさわやかさをかなぐり捨て
いるかちゃんはあくまでも鈍く愛らしく
いい人過ぎた進はここぞとばかりに謀をめぐらし
手が早いことでは定評のあった巧巳は
ここでもいろいろやらかしてくれて
純真無垢な徹くんは実は兄譲りの頭脳と愛くるしい外見を持った
悪魔のようなヤツになりきっていて
それでも正美ちゃんにいいようにされる哀れな一面もあり・・・
くっくっくっ・・・・・
春海の押し殺した笑いが不気味にこだまする。
「何読んでんの?」
「オセローだよ。」
「それって悲劇じゃなかったっけ?」
「ああ、そうだよ。」
「・・・笑ってなかった?」
「ああ・・・ちょっと昔見た夢を思い出してさ。」
「ふぅ〜ん・・・その夢ってあたしも出てきた?」
「ああ。みんな出てきてたぜ。倉鹿のやつらも、里見のやつらも。」
「へぇ・・・今度読ませてよ。」
「だっ・・・だめだ!」
「何でよ、ケチィ〜」
だめだといわれるといっそう気になるのが人情というものである。
いるかは春海のいないときにこっそり隠れて読んでみた。
……なるほど、彼が読ませたがらなかったのがわかった。
「おれはこんな嫉妬深いヤツじゃないぞ!」
どこからか春海のそんな叫びが聞こえてくるようだった。
それにしてもみんないたってことは・・・
このイヤーゴーってやなヤツ、一体誰だったんだろ?
「おねえちゃん・・何読んでるの?」
振り返ると天使のように無垢な笑顔を浮かべた徹がいた。
お盆に二つのマグカップと山のようなおやつを持って
いるかを見つめ頬笑んでいた。
・・・私、これから笑いなくして「オテロー」みれません。読めません。絶対(笑)
こんなすごいものを数日で書き上げちゃうあらゆきさんに敬服しつつ
あらためて
「ありがとうございましたっ!!!!」
2004年1月22日 水無瀬